東洋医学思想のベースとなる「陰陽学説」についてのお話です
「陰陽学説」には4つの法則が有ります
@対立
世の中のすべてのものは、男と女、太陽と月のように陰陽に分けることができます
あらゆる事柄は対立、制約しあいながら存在すると考えます
A互根
「互根」とは、根っこを互いに同じくする、という意味です
陰の中に陽があり、陽の中にも陰がある
どちらか一方だけでは完成せず
相反するものがあって初めてお互いが存在できるという法則です
ひとのこころは常に矛盾を抱えているものですが
陰陽学説から考えると
相反する思いを同時に持つことは自然な姿である、と考えられます
B消長
陰陽は静止した不変の状態ではなく、常に変化し続けるという法則です
四季で例えると、春→夏→秋→冬→春…
1日で例えると、朝→昼→夕方→夜→朝…と繰り返しながら刻々と移り変わっていきます
これを「リズム現象」とも言います
C転化
陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる
物事は極まると、陰から陽へ、陽から陰へガラリと正反対に性質が変わることを指します
この法則を応用した食品で「梅干し」があります
梅はもともと陰性の強い果実ですが
塩、重し、土用の天日干し、時間という陽の性質を重ねて加えることで
極めて陽性の強い梅干しへと変化させています
また、熱しやすく冷めやすいこころの状態も、この法則に添っていると考えられます
森羅万象、すべてのものは留まることなく巡り、常に変化、循環し続けること
ものごと、ひとのこころは矛盾を持ち、そして移り変わっていくこと
これらはごく自然のあり方で、宇宙の法則にかなっていると言えます
陰陽のふり幅は大きく振れると心身にかかる負担が大きくなるため
喜びすぎず悲しみ過ぎず、感動は静かにこころに留め
季節風土に添った食べ物を頂き
ふり幅はできるだけ小さく中庸をキープしながら
日々を過ごしていきたいと思います
2015.6.9