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診療室便り Vol.2



Vol.2 五行説A 相生・相剋

東洋医学では自然界に存在する全ての事象は
五行「木・火・土・金・水」の性質を持ち
お互いに影響を与えることでバランスを保ち、存在していると考えます。

五行の相互関係には「相生」と「相剋」があります。
「相生」とは、生じる、育む、保護するなど生かす働きのことを指します。

木が燃えて火を起こし、火は灰を生み土となり、土は金(鉱物)を生み
金(鉱物)は良い水をつくり、水は木を育む

このような物事の発生から発展を表します。

一方、「相剋」とは抑制、制約する働きを指します。

木は土から養分を奪い、土は水をせき止め、水は火を消し、
火は金を鍛錬し、金は刃物となって木を切り倒す

このような相手の過剰を防ぐ関係性を表します。

「相生」で生かし、「相剋」で抑制する。
相反するふたつの力が同時に働くことで、良いバランスを保つことができるのです。

また、五行の「行」とは 留まることなく巡り、循環するという意味があります。
移り変わることを自然の摂理とするこの法則は、私たちの心身にも影響を与えているのです。