季節の合間「土用」にはたらく「脾・胃」についてのお話です
「脾・胃」はたべることと直結したはたらきをしています
まずは西洋医学からみた「脾・胃」の役割を考えましょう
東洋医学で位置づける「脾」の役割は
西洋医学では膵臓、脾臓、小腸のはたらき全般を指します
ここでは膵臓についてご紹介します
<膵臓>
消化器系に分類され、右側で十二指腸につながります
膵臓での大切な役割は
小腸で栄養素を消化吸収するための消化酵素、血糖値に関与するホルモンを分泌することです
特に脂肪に対する消化酵素(リパーゼ)は、膵臓でしか分泌されません
そのため、脂肪分の多い食事は膵臓に大きな負担をかけることになります
また、血糖値を下げるインスリン、上げるグルカゴンは
生命活動を維持するために大切なホルモンです
血糖値を上げるホルモンは、グルカゴン、成長ホルモン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンなど数多く存在しますが
血糖値を下げるホルモンは、唯一膵臓から分泌されるインスリンだけとなります
ひとは歴史上、飢餓状態にある期間が長く
血糖値を上げて食べ物を得るため活動的になることが必要でした
そのため、血糖値上昇ホルモンが数多く存在しています
一方、いつでもなんでもいくらでも食べることができる現代は
むしろ血糖値を下げることが必須となって
インスリンを分泌する膵臓に多大な負担をかけています
消化酵素の分泌、胃腸のはたらきは
副交感神経、つまりリラックスした状態で促進されます
仕事をしながら、イライラしながら食事をすると
いくら質のよい食事をしていても、充分にその栄養をからだに取り込むことができません
また、ゆっくり噛むことで唾液に含まれる消化酵素(プチアリン)がでんぷん質を糖に変え
甘みを感じて満足感を得ることができます
昔から伝えられている「ゆっくり、ありがたく食事をしましょう」とは
こういったからだのはたらきからも説明することができます
2015.7.7