季節の合間「土用」にはたらく「脾・胃」についてのお話です
「脾・胃」と関係が深い味は「甘」です
甘みは脾胃を養うので、脾胃が弱ると自然と甘みが欲しくなります
また、もともと脾胃が弱い方は甘いお菓子や果物が好きな傾向にあります
糖類の最終形であるブドウ糖は、炭水化物(穀物)から得られます
ブドウ糖はエネルギーの源となるので、穀物は世界各国の主食となっています
炭水化物からブドウ糖に分解されるまで
少なくとも3つの行程が必要で、時間がかかり脾臓や胃腸も頑張らないといけません
それ故、もともと脾胃が弱い方や働きが充分でない子どもさん、疲れている時は
簡単に素早く吸収できる砂糖や果物の甘みを欲する傾向にあります
漢方で甘みは「補益、和中、緩急」作用があり
虚証を治し、疼痛を緩和し、薬性(毒性)を調和する味とされています
つまり、甘みは気を補い、緊張を緩めリラックスさせ、薬物同士を調和させ
全てを優しく包み込む中央的な働きをすると考えられています
精製された砂糖の甘みは、急激に血糖値の振り幅を大きくさせるので
からだとこころに負担がかかります
イライラしたり不安感が強くなったり、きもちの振り幅が大きい時は要注意です
質のよい甘みを控えめにゆっくりおいしくいただくことで
脾胃を養いこころのバランスを保つことができます
2015.7.7