秋にはたらく「肺・大腸」についてのお話です
次は大腸について考えてみましょう
大腸は小腸に続く消化器系で
全長1.6m、盲腸、結腸、直腸の三部に分けられます
小腸から送られてきた物質から水、ナトリウムを吸収します
そのほとんどは小腸で吸収され尽されていますが
からだにとって必要な水、ナトリウムを
無駄なく最後まで取り入れるはたらきを大腸が行い
残りの不要物を糞便として肛門から排出しています
大腸には蠕動運動とよばれる動きがあります
大腸の内容物の輸送を一気に行うのが大蠕動で1日数回起こります
これはいわゆる便意となりますが
便意は副交感神経が深く関与しています
忙しくてイライラしたり、緊張でリラックスできない状態が続くと
便意が起こりにくく、結果便秘になりやすくなります
また大腸特有の逆蠕動という動きがあります
小腸とつながる盲腸付近で起こり
いったん大腸に入った内容物が小腸へ逆流することで
大腸菌の死がいに含まれるビタミンB12を小腸が吸収することができます
このビタミンB12は赤血球を作るときに必須のビタミンで
不足すると悪性貧血になります
微生物によって生成されるので
動物性食品に多く含まれ、野菜にはほとんど存在しません
それ故、完全菜食主義者には貧血が多いと言われています
ただし腸内細菌の状態が良く、この逆蠕動がしっかりと動いていれば
動物性食品に頼らなくてもビタミンB12を自己摂取できるということも事実です
からだにとって必要な水、ナトリウム、ビタミンB12を吸収し
不要物を最終的に糞便として排出をする大腸
「必要なものを吸収する」「不要な物ものを出す」という点で
肺と大腸は同じテーマを持つ臓腑といえます
2015.11.10