・Vol.3 診療室のこと@ 山口さんの椅子
レッスンやプライベートセッションは
マンションの小さな一室で行っています。
南向きにベランダがあり
穏やかな日差しが心地よい、明るい空間が特徴です。
畳敷きの和室にはベッドが一台。
フローリングの少し広めの部屋には、白いアアルトのテーブル。
そして、お客様に座って頂く椅子がたくさん置いてあります。
10年以上使っているチャーチチェア、アアルトのスツール、近所で捨てられていたスツール。
どれも気に入っているものばかりですが
中でもとびきり自慢なのは、木工家・山口和宏さんの椅子です。
一脚ずつ丁寧に仕上げられたその椅子は
ほんのり赤い桜の木と、薄い水色のリベコリネンの座面。
鍼灸師国家試験を翌年春に控えた秋
京都で開かれた展示会「山口さんの椅子」でオーダーした一脚です。
まだ学生の身分だったのにも関わらず
この椅子でお客様をお迎えしている光景が、はっきり目に浮かびました。
小柄な方でも足がしっかり床に着くように、座面は少し低く作って頂いています。
こころとからだを緩める時間に
そっと寄り添ってくれる、そんな山口さんの椅子なのです。