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伊吹山の北東麓・揖斐川春日地区は
薬草文化がいまなお受け継がれる集落
その地で育ったよもぎを
アルコールに漬けました
化粧水などに使っています

診療室便り Vol.8



Vol.8 もぐさのこと

お灸につかう「もぐさ」についてのお話です

もぐさの原料はよもぎの葉
よもぎは山野に自生するキク科の植物で
草餅、よもぎ風呂など日本人には馴染みの深い薬草です

よもぎの葉の裏には白い毛の「毛茸」と
チネオールという精油を含む「腺毛」と呼ばれる成分があり
特別な製法で手間暇をかけ
不純物を取り除きこの「毛茸」と「腺毛」だけを集めたものが良質のもぐさとなります

現在もぐさの生産量が最も多いのは新潟県ですが
岐阜県と滋賀県の県境にある伊吹山のもぐさも大変有名です

伊吹山は薬草の山として古くから知られ、今もたくさんの薬草が自生しています
戦国時代には織田信長が治療薬や火薬の原料とするため
ポルトガル宣教師に伊吹山に薬草園を作らせたと伝わっています

先日伊吹山へ薬草をさがすフィールドワークに出掛けました
そっとよもぎの葉裏に触れると
苦みと甘みを含む、すっきりとした香りが指先に残ります
琵琶湖から吹き上げる冷たい風を受けて育つ姿がとても印象的でした

2014.8.4